旅の空でいつか

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獣の庭_3 /A

  1. 2010/03/25(木) 14:10:33|
  2. ★完結★ 『アルファベットの旅人』シリーズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6
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⇒関連作『獣の庭《in secret》 /A』はコチラです
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“獣”は言った。


約束するのは、
家賃と食費と、日常の細々したものを購入するための資金。

今まで滞納していた家賃と、
十分に栄養をとるために必要なだけの食費。
それから、服とか、食器とか、暖をとるための燃料とか。

条件は、
オレたちの時間。

オレは「学校に行くこと」。
エレンは「庭をつくること」。
それにかかる費用は、全て“獣”が出す、と。


エレンがトイレに行っている間に“獣”は、
オレにそう告げた。


その条件に、最初はオレはもちろん、反発した。

今さら学校に行く、だなんてこと、
無意味としか思えなかった。

生活していくのに困らない程度には、
オレはすでに文字を読むことができたし、
買い物をするのに必要な程度なら
簡単な計算だってできた。

オレは、働きたかった。

早く、この“獣”から解放されるために、
いっぱい働いて、金をためて、
オレたちだけの力でも生活できるように、なりたかった。

それに。

“獣”がエレンに課した
「庭をつくること」。
それも気にくわなかった。

“獣”が指定した場所は、まさに、
この1本の木の、その周辺。
街外れの、北西の端の、日当りの悪い場所だ。
「庭」づくりに適しているとは、とうてい思えない。

それにここには、“獣”がいる。
他のどんなことよりも、
エレンが毎日、この“獣”とともに時間を過ごすのだということが、
オレには耐えられない。


そんなことを考えていたオレの気持ちを見透かすかのように、
“獣”は言った。
「……安心しなよ。おれはもう、ここには来ないから。」

それでも、その条件は受け入れたくなかった。

けれど、“獣”は譲らない。
飼われるってのはそういうことだろ、と言って
“獣”はキレイな顔をして笑う。


オレには、
この“獣”に抗う力は、なかった。


黙り込んだオレに“獣”は、
ポケットから1枚のプレートを取り出して、握らせた。
“獣”のネックレスの先にも、似たようなカタチの銀板がついている。
初めて見るものだった。

コレを“銀行”に持って行くと、金を受け取ることができるらしい。
“銀行”という店がこの街にあることを、オレは知っていたけれど、
それがどういう仕組みで動いているものなのか、
どうやって使うものなのかは
知らなかった。

それを使うほどの金なんて、
今まで、手にしたことがなかったから。

“獣”は、
ひと月に一回、
必要なだけの金をオレが受け取れるように用意しておく、と言った。
滞納していた分の家賃もすでに用意してある、とも。


条件。
それはつまり、約束だ。
どんなに受け入れがたくても。
だからオレは、それを守る。

でも。

無駄としか思えない「学校」に通いながらでも、
オレは働く。
そして、絶対に、
一日も早く、
この“獣”の金なんか必要ないくらいの金を稼げるようになってやるんだ。

そして、その時は。

オレがそう言えば、“獣”は
「それだけの生活ができるようになれるってんなら、やってみろよ」
「そんときはお前の好きにしたらいい。」
そう言う。


銀板をオレに渡した“獣”は
エレンが戻ってくるのを待つこともなく、去っていった。

首もとのネックレスが、日の光をあびて一瞬だけ、
ちり、と光った。



***************



「……でも、ともかくは、よかったわ。」

翌日、滞納していた家賃を大家に払い込んでからオレは、
この数日間に、心配や迷惑をかけた人たちに
「金は工面することができた」ことを、3日かけて丁寧に報告しにまわって、
そうして最後に、アイリの元を訪れた。


他の人には、
なぜ、オレがその金を工面することができたのか、
その理由は話さなかった。

話したくもなかった。
あの“獣”に「飼われている」からだなんて、
誰にも、知られたくなかった。

けれどアイリには、全て話した。

なるほどね……。
アイリは「納得がいった」といった表情で、オレの話をきいていた。


他の誰にも知られたくなんてなかったけれど、
けれど、誰かに話さなければ。
収まりきれないこの気持ちを、どこかで吐き出さなければ、
どうにかなってしまいそうだったから。


時間は、夕方。
もうすぐ「仕事」の始まるアイリは、
濡れた髪を乾かしながら今日もまた、
宿の2階の窓からではなく、
オレのために、下まで降りて来てくれていた。

花街独特のオレンジ色の街灯が、
ぽつぽつと、灯りをつけはじめていた。


ともかくはよかった、と、
アイリは笑ってくれた。

そうだ。
エレンと離ればなれにならずにすんだ。
それは、それだけは、
よかった。
本当に。

でも、やっぱりオレには
「飼われる」という、そのこと自体が、受け入れられない。


イヤだ。
悔しい。
あの“獣”が、大嫌いだ。
殺してやりたい__。


アイリに、ぶつけるように気持ちを吐き出す。
怒りで震えそうなオレの肩に手をおいて、
アイリは訪ねた。

「アランは、花街が……花街に住んでいる私たちのことが、好き?」

オレはうなずく。

「じゃあ、“売られる”というのが、どういうことかは、わかる?」

オレは、この問いにはうなずけない。
だから小さな声で、答える。

「……なんとなくは、わかる。」

たぶんもうエレンとは、一緒にいられないってことだ。

そうね。
答えてから、アイリはオレの目をしっかりと覗き込んで、言った。

ちょっと難しいかもしれないけれど、よく聞いてね、と。

「アランとエレンは、大屋さんに“売っぱらってやる”って、言われたのよね?」
うなずく。

「あのね、それは、言葉のアヤなの。
 2人は別々のところに行くかもしれなかったけれど、完全に“売られる”わけじゃない。」

ここまではわかる? ときいてくるアイリ。

よくは、わからない。
けれどアイリが「よく聞いてね」と言ったから、
オレは黙って、アイリの言葉の続きを待つ。

「その子は、あなたたちを“飼う”って言ったのよね。“買う”ではなくて。」
オレはうなずく。
そして、オレがいつか金を稼げるようになったら、と話したときに
好きにしろよ、と“獣”が言っていたことを付け加える。

「それなら、大丈夫。時間がかかっても。大丈夫よ。」
そう言って、
本当に売られた人は、おそらくもう、そんなことは出来ない。
アイリは、そうも続ける。

オレはその言葉に、少しだけ、希望が見えた気がした。

そうか、ちゃんと、お金を作れれば。
時間はかかっても。
大丈夫なんだ。


アイリはそれから、エレンの様子を尋ねてくる。

「エレンは……」

嬉しいことに、運のいいことに、
エレンは“獣”から出された条件を、
それはそれは、喜んで受け入れたのだ。

「飼われるための条件」だと言うことは伝えていない。
ただ、あの“獣”からの、エレンへのお願いなんだと言った。
あの“獣”はもう、この場所へは来られなくなってしまったから、
だからかわりに、エレンにこの場所をキレイにして欲しいらしいんだ、と。

おにいちゃんもうこられないの?
そう言って悲しそうになったエレンだったけれど、
その場所に「庭」を作ることができるときいて、
それには、素直に喜んでいる。

エレンは、土いじりが好きだ。
草や花をつっついてみたり、
木に耳をくっつけて音を聞いてみたり、
地面をほじくり返して、出て来た虫を眺めてみたり。

“獣”の「庭」を作ることを、
エレンは、それはそれは、楽しみにしているのだ。

本当は、それは「飼われるための条件」なのだと知っているオレは
エレンのその姿を見て、
安心するのと同時に、やっぱり、悔しくて……。


アイリは言う。
「この3日くらいかな。
 その子のこと見かけなかったから、私たち、心配していたのよ。そういうことだったのね。」

その子。
“獣”のことだろう。

アイリは続ける。

「あの子ね、花街では、かなり有名な子なのよ。」

小さく笑って、言う。

「私たちね、あの子がどうしてこの街に来たか、知ってるの。」
少しだけ、悲しそうだ。

どうして来たんだ?
オレはそう尋ねるけれど、内緒、とアイリは言う。

オレは、オレの、誰にも言いたくなかったことを教えたじゃんか。
そう言うけれど、アイリは、ごめんね、とただ、悲しそうに笑う。
でもきっと、いつか、わかるから。
そうも言う。

「この街に来てちょっとしてから、ほら、毎日、
 朝から夜まで、その場所に行っていたわけじゃない、その子。」

その場所。
あの、1本の木の場所。

「朝ね、大屋敷を出てからそこに向かう姿も、夜暗くなって、大屋敷に戻って行く姿も、
 私たち、見ているのよ。」
朝は、ちょうど花街の仕事が終わる時間だから。
夜は、花街の仕事が始まるころの時間だから。
アイリはそう教えてくれる。

「ここには時々、外から来るお客さんもいるからね。
 この街の外の話も、いろいろ、私たちが耳にすることって、あるのよ。」

外から来るお客さんの話を聞いて、
アイリや他の姉さんたちは、“獣”がどこから、どうしてこの街に来たのか、
わかったのだと言う。

そして言う。
「大変だったのね、3人とも」と。
それからオレの肩をさすってくれる。

3人。
オレとエレンと、
もうひとりは、あの“獣”のことか……?


「大変なもんか!」
オレは言う。

どういう経緯で、あの“獣”がこの街に来たのかは、オレは知らない。
けれど少なくともあの“獣”は、今は、
あの大きな屋敷で、
ミスター・ビッグに可愛がられているのだから。

何不自由なく。
オレたちを「飼う」と、そう言って、
そして、それをできるくらいに。

声をあげるオレに、アイリはまた、尋ねる。

「アランは、どうして“彼”が、あんなに毎晩、逃げ出そうとしていたんだと思う?」
「!」

覚えている。
忘れるわけがない。
初めて“獣”の姿を見たあの夜の、
あの、必死の、咆哮。

「毎日毎日、どうして、街の人が誰も来ないような、
 そんな場所に彼は、行くのだと思う? 黒い服の人たちを、一人も連れずに。」
「それは……」


わからない。
わからないけれど。

「……甘えてるんだ。どうせ。」

だって、ソレ以外に何がある?
あんな立派な屋敷にいて、そこの主に「可愛がられて」、
なぜ、そんな奇行に及ぶ必要があるのか。

そんな必要、思いつかない。

「あの子のネックレス、見た?」

オレはうなずく。
初めてあの“獣”を見た時も、
その次に会ったときも、そのまた次に会ったときも、つけていなかった。

少し輪の狭い、
鎖骨の上で、鈍く光る銀色の鎖。
オレたちを「飼う」と言った日に、初めて見たもの。

「アレを見て、どう思った?」

この問いには、オレは即答する。

「高そうなもん見せびらかしやがって、って思った。」

アイリはそれを聞いて、小さく笑う。

アイリはそうは思わなかったのか?
そう尋ねれば、
私は知っているから。とアイリは答える。

「ここの外の花街にいた時にね。
 何回も見たことがあるのよ。あの子がつけているのと、よく似たものを。」

趣味悪いわよね。アイリは言う。
アイリがどうしてそう思ったのかはわからなかったけれど、
趣味が悪い、と感じたのは一緒だったから、オレはうなずく。


さ、私も仕事が始まるから、アランももう帰りなさい。
そう言われて、頭を撫でられて、
オレはわかった、とうなずく。

手を振って去ろうとしたけれど、
そんなオレを、少ししてから呼び止めて、
アイリは言った。

「わからないこと、いっぱいあったと思うけど。
 きっとね。あと何年かしたら、わかるときが来ると思うの。
 そしたら、その時は、憶えていてね。」

……あなたたちは、悪くないから。

アイリの言葉に、オレは首を傾げる。

当たり前だ。
だってオレもエレンも、何も悪いことなんてしていない。

けれど

「あなたたちは、悪くないのよ。」

アイリはもう一度、繰り返すようにそう言って、
そして、宿の中へと入って行った。


なんだろう。
不思議に思ったけれど、
その疑問は解決されることなく、
オレは家路につく。



***************



朝ご飯は、一緒に食べる。
お弁当は、オレが作るけど、時々エレンも作ってくれる。

オレはそれから学校に通い、夕方から夜までは仕事に行く。
エレンは、あの痩せ細った木の、日当りの悪い場所へ、“獣”のための庭をつくりに行く。

そして、夜はまた一緒にご飯を食べる。
そんな日々が続いた。


金色の“獣”は、約束を守った。

エレンがつくっている「庭」にあいつが姿を見せることは、
オレたちを「飼う」と言ったあの日から、一度もなかった。

ただし“獣”はそれから、
街で、黒服たちと一緒にいるところをよく、
目撃されるようになった。

監視か、警護か、よくわからないけれど、
黒服たちが日に数度、街を見回る時に、
“獣”はいつも、一緒にいる。

街の人たちは、黒服たちのことと同じように、“獣”を恐れ、避けるようになった。
一方で花街では、
“獣”はなぜか、好意的に受け止められているようだった。
その様子は、アイリや、他の花街の姉さんたちの言葉から窺い知ることができた。

時々、学校の帰りやら仕事中やらに
その姿を見かけることもあった。

オレたちはいつも、黒服が通るときには
深く、深く頭を下げて、その姿をなるたけ見ないようにしている。
オレも当然、そうしていたのだけれど、
強い視線だけは、いつも、感じていた。


あの、青い瞳。
オレを見ている。
直接見なくても、ハッキリと、思い浮かべることができた。


街で見かける以外にも、月に一度、
“獣”は姿をあらわした。

必ず、月のはじめの夜に“獣”は
オレの家の前にあらわれる。
エレンはもう、寝ているような時間だ。


家に入って来るようなことはしない。
家にあげる気なんて、オレにだってさらさらない。

だから“獣”との対面はいつも、
深夜、ドアの前で行われる。


“獣”は、オレがちゃんと学校に行っているかとか、
食事はちゃんととれているかとか、
そんなことをいくつか確認して、
そして、その月の「金」をおろすために必要な、銀のプレートを置いて行くのだ。


「飼う」というのがこういうことなのか、
オレは疑問に思っていた。

だってこの“獣”は、
かつて、あんなに毎日通っていたはずの自分の「庭」にさえ
おそらく「あの日」から、一度も訪れていない。
それが
律儀に約束を守っているせいなのか、
単に興味が無いせいなのかは、オレにはわからない。

“獣”から聞かれることもなかったから、
だからあの「庭」が今、どんな状態なのか、
オレもあえて、それを伝えるようなことはしなかった。

けれどもっと、
いろいろなことを要求されたり、
変な呼び名をつけられたり、
命令されるのかと思っていた。

そんなことが全くなかったから、
だからやっぱり、
この“獣”は本当は、
「人間を飼う」なんてことに、そんなに興味がないんじゃないかと、思った。

それはオレやエレンにとっては、
とてもとても、ありがたいことだ。
月に一度だって、
街の中で一瞬だって、
この“獣”の顔なんて見たくない。
少なくともオレは、そう思っていたから。

だって、否応なく、思い出すのだ。
“獣”の顔を、姿を見るたびに。

オレたちを「飼う」と言ったこと。
自分たちは、
こんな幼い少年に、こんな、何の苦労も知らないだろう生活をしている少年に、
「飼われている」存在なのだということ。

そのことが、どうしようもなく、
思い起こされるのだ。


一度だけ、尋ねたことがある。
お前の言う「飼う」というのは、こういうことなのか、と、
そう、オレは理解していていいのか、と。

“獣”は、
「飼い主の名前すら憶えないようなペットに、
 そこまで執着するほどおれは暇じゃないんだ。」
そう、答えた。

ガキのくせに、随分と偉そうな言い方だ。

オレはますます、不機嫌になる。
この“獣”の顔を見ているだけでも気分が悪いというのに。


ただ、思う。
それまで、考えたこともなかった。
名前で呼びかける機会も、必要も、
だって、なかったから。

この“獣”の名前なんて、
興味を持ったこともなかったんだ。

「名前、なんて言うんだよ。」

話の流れで、それも尋ねる。
けれど“獣”は、笑って言うのだ。

「名前なんて、必要か?」と。

さぁね。知るかよ。
オレは答える。

この“獣”の名前を知ったところで、
オレがそれを呼ぶ日が来るとも、思えなかった。


銀板を渡すだけ渡して、去って行く“獣”は、去り際に、言った。
やっぱり、小さく笑いながら。

「おれのことは『A』と、そう呼べばいい。」

“少年A”
名前を伏せて言うときの、代表的な表現だ。

なんだそりゃ。

バカにしてんのか?
呼ばねぇよ!
オレは舌打ちしてからそうつぶやいて、
“獣”が姿を消した後のドアを閉めた。



そんな日が、続いて、続いて、続いて。

オレたちが「飼われて」から、3年の月日が流れた。



***************



オレは14歳になった。
エレンは8歳。
今年からエレンも、学校に行くことが決まっている。


そしてこの年。

オレは、知ったのだ。
唐突に。



かつて、アイリが言っていたこと。
街で、噂されていていたこと。
学校で習ったこと。
「近年の歴史」の授業で聞いたこと。

そんな欠片のひとつひとつが、
ある日唐突に、合わさって。

点と点が線になるように、
その答えは、やってきた。


“獣”が。
『A』が、どうして、この街に来ることになったのか。


咆哮の理由。
言葉すら発することのなかった理由。
街の人たちの、噂の理由。
飼われることになったと、そう伝えたときに、アイリがオレに尋ねた事柄の、その理由。
“少年『A』”と、そう告げられた理由。

花街で行われている「仕事」。
花街で、『A』が好意的に思われているのは、なぜなのか。


あの日、オレたちを「飼う」と決めた『A』が、“何を”したのか。
あの銀色の、鎖の意味。


……あなたたちは、悪くないから。

アイリは、そう言った。

今ならわかる。
どうしてあの日、オレにそれを言ったのか。


本当に?

たしかに、オレたちは、何も悪いことなんて、していなかった。

そう、悪くない。
悪くないんだ。


けれど。

でも。



オレは、何と言った?
『A』に、何を言った?

何も知らずに。



どうしていいのかわからなくてオレは、
『A』の姿をただ、思い浮かべる。


金色の髪。
青い瞳。
銀色の鎖。


けれどオレは、『A』の表情だけは
どうしても、思い浮かべることができなかった。

当然だ。
だって今までに、一度だってオレは、
『A』のことなど、見ようともしなかったのだから。


「殺してやる」
あの日、そう言ったときの感情が、
今はただ強く、
オレの心を揺さぶった。


もうすぐ、月が変わる。
『A』が家にやってくるまで、あと数日__。



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comment

No title

  1. 2010/03/25(木) 20:12:16 |
  2. URL |
  3. [ 編集 ]
おぉお…!!
話の展開がすごく気になるのですよっ!!
次回…楽しみに待っています。

Aの存在が強くなり アランの気持ちの変化も
起きようとしています…。
3年も月日が経って大きくなり新しい事を知る。
3人の未来がいっそう気になり始めました(^m^●)

毎回こんなコメントですいません…;
次回のお話し楽しみにしています★
頑張って下さいませ+。

Re: No title

  1. 2010/03/25(木) 21:30:27 |
  2. URL |
  3. 花舞小枝の春
  4. [ 編集 ]
> 夢さん

コメントありがとうございます*^^*
「こんなコメント」なんて言わないでください!!
いつも本当に、すごく嬉しく感じながら読んでいます*^^*

そうなんです。3年も月日が経っちゃいました。
3年後の、最後のあたりの部分は実は、
最初は、また次の『A』のターンに出そうと思っていた内容なのですが……。
出しちゃいました☆
楽しんでいただけたようで、よかったです*^^*

これからちょっとだけ、ノロノロ更新になるかもですが、
がんばります☆
コメント、ありがとうございました!

  1. 2010/03/26(金) 11:01:09 |
  2. URL |
  3. びたみん
  4. [ 編集 ]
こんにちは!ブログに訪問して下さってありがとうございます!!
小説読ませて頂きましたッ。
何と言うか…もう好みすぎてのたうちまわりました…。
私はボキャブラリが貧困で、小説を書くことができないので(←憧れてやってみたことがあるんですが…)本当に尊敬します!
うおー美しい獣!!うおーっ大好きですッ
気持ちの変化とか本当に綺麗に描写されていて、のめり込んで一気に読んでしまいました!
続きを心待ちにしていますッ

Re: タイトルなし

  1. 2010/03/26(金) 12:04:33 |
  2. URL |
  3. 花舞小枝の春
  4. [ 編集 ]
> びたみんさん

コメントありがとうございます!
好みでしたか!それは嬉しいですv-353
私こそですね、びたみんさんの絵が好きで……
いろんなページ見に行っちゃったりして……
嬉しいですv-278好きですっe-265
月末なので、ちょっとストップしそうですが、
続き、がんばります。
コメントありがとうございました!!

no title

  1. 2010/03/27(土) 22:06:34 |
  2. URL |
  3. tama
  4. [ 編集 ]
こんばんは。
そしてこちらでははじめまして。

小説拝見しましたが、何とも素敵です!
森のくまさんは思わずうるっときちゃいました。
暖か切ない話ですね。

そしてAtoZのお話。
まだ全部読めてないんですが、AとZの物語がこれからどんな風に交差していくんだろうと、続きがとても気になります。

また遊びに来させていただきます☆

Re: no title

  1. 2010/03/27(土) 22:47:59 |
  2. URL |
  3. 花舞小枝の春
  4. [ 編集 ]
> tamaさん

コメントありがとうございます!
いらして下さったんですね~、ありがとうございます☆
もりのくまさん。
歌詞を思い出して、ふと、行動の挙動不審さに疑問を持ったのがキッカケでしたww
逃げろって言ったのに追ってくるなんて……
ツンデレかさみしんぼかのどっちかだな、と。笑
暖かい部分、ちゃんとお伝えできていてよかったです*^^*
ほっとしました*>w<*

『A』と『Z』も、気づいたらなんだか話数が増えて来ちゃいました。
読みにくいところも多々あるかと思いますが、
ぜひ、また読みに来てやってください♪

コメントありがとうございました*^^*

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