旅の空でいつか

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保護者・4 /リゾット

  1. 2011/07/05(火) 13:24:37|
  2. ★完結★ 『ハミングライフ』シリーズ
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2
※作品一覧はコチラです
 ※『保護者・1』はコチラです
 ※『保護者・2』はコチラです
 ※『保護者・3』はコチラです


みなさんこんにちは、春です。
『ハミングライフ』です。『保護者』のラストです。

レシピ……的なもの収録。


あ。
カウンターが、もうすぐ
22222
です。

めっきりとのんびり更新ですのに、ありがとうございます!
大したことできないですが、
もし奇跡的にキリ番か前後らへん踏まれた方はご一報下さい。
なんかやります。



ではどうぞ、《続きを読む》よりおすすみください☆



***************



“まぁちゃん”が来た。

「うわぁ、うわぁ~~~~~ミーーーーーー!!」
「まぁちゃんっ!!」

2人の再会の喜び様は、それはもう嬉しそうで。

ペコペコと、回数を数える事も難しいほどに”まぁちゃん”は家主たちに頭を下げ、
見守りだか付き添いだかのために訪れていたカリンとコウにも同様にして、
あとはもう、2人の世界とでも言うような有様だった。
子どもが2人はしゃいでいるような感じだ。

「温厚そう」な印象は、カリンの言った通りだった。
別の言い方をすれば「気が弱そう」だけれど。
「誠実そう」もそうだ。
ペコペコとさすがに頭を下げ過ぎではないかという印象なのだけれど、
その行為のひとつひとつが「誠心誠意」という感じなことにも間違いはない。
一番言い得ていると感じたのは「頼りない」の部分ではあった。
年齢で言えば、皮膚の感じやらなにやらを見てみれば
”のっぽ”以上・ヒナタよりは少し下、なのだろうけれど、非常に幼い印象を受けた。
本当に子どものようだった。



「”みぃ”って、ミーチェって名前だったのか」

再会を果たしても、まだしばらくは、”みぃ”と”まぁちゃん”は離れて暮らすことになる。
それなら今日はせっかくだし、と2人水入らずの状況をつくろうと、家主たちは揃って外に出ている。

晴れた朝だ。
散歩にでも出かければ気持ちよい日和なのだろうけれど、
リビングの窓の外……耳を澄ませれば中の声が聞こえて来そうな距離で、
4人で並んで座っている。
聞き耳をたてるようなことはしないけれど、やはり中の様子が気になるのだ。
何かあれば、すぐにでも家内に戻れる位置取りでいる。

「同じ呼び方でも、やっぱりイントネーションというか、違ってくるものですねぇ」

ピアスの呟きに答えたのは”のっぽ”だ。
家主だけは一人、散歩に出かけている。

聴力の発達してしまっている家主では
同じだけの距離をとっていても、中の様子が筒抜けのように聞こえてしまう。
「あえて聞き流す」というのは状況をひどく気にしている状態では難しいことで、
だからいったん距離をとって、落ち着いてから戻ってくる、とのことだった。

「最近、どうですか?」

カリンがピアスと”のっぽ”とに尋ねた。
質問が漠然としすぎていて、何を答えてよいのかがわからない。
コウが補足する。

「生活、どう? 落ち着いてる?
 ”みぃ”ちゃんが体調崩したり、ヨーくんをちょっとの間預かってもらったり、
 なんとなく微妙にバタバタしてたと思うんだけど。
 変わった事とか、困った事とか、何かあった? どうだった?」

「……それ、おれたちにきくの?」

ピアスと”みぃ”は完全に、家主の「世話になっている」身だ。
”のっぽ”は微妙な部分もあるけれど、家主は、2人の保護者だ。
事実そうだし、ピアスには「世話になっている」身であるという自覚もある。
であればその質問は、家主に向けるのが順当な気がした。
少なくとも、書類上必要な項目として尋ねるのであれば。

「ヒナタ先輩にも聞きますが、お2人にも伺っておこうかと思いまして」

コウ先輩補足をありがとうございます、と律儀に頭を下げながらもカリンは質問をひっこめない。

「……いや、別に。
 ”みぃ”も元気に戻って来たし、ヨーが来たのも、特に何の問題もなかった」

「……」

”のっぽ”はとりあえず黙っておいた。
「そうですか」と頷いて、カリンはあっさり納得した様子を見せた。
そして頷いたそのまま「では、私は別の仕事もありますのでこれで」と立ち上がって荷物をまとめはじめた。

「では先輩、あとはよろしくお願いします」

コウに向けて言って頭を下げて、少しズレたらしいメガネをなおすと、本当にさっさと帰って行ってしまった。
「はいよー」と、コウはひらひらと手を振っている。

カリンの背中が見えなくなってからピアスは尋ねる。

「なぁ、前ってどうだったの?」

コウに対する問いだ。
当然コウは「何が?」と問いなおす。
言葉が足りない。カリンとピアスは、意外とそういうところが似ている。
けれど、どう言ったものかと考えるようにピアスは黙ったままだから、コウも考える。

「ヒナタのこと?」

ピアスは頷いた。

「どれくらい前の話が聞きたいの?」

コウがヒナタと出会ったのは、ヒナタが学生だった頃だ。
ヒナタとは同い年で、コウ自身もまだ学生だったのだけれど、その時の立場は「教師と学生」だった。
その後は他部署の友人になり、同じ課で仕事をしたこともあった。

ヒナタが学生になるよりも前の話を、コウは本人の口から聞いたことはほとんどない。
親がいないとか、とある一家が後見人になっているとか、聞いたのはその程度だ。

ただ、知ってはいる。
結局は辞職してしまったけれど、警衛職の管轄内で今のような仕事をしたいと、
初めヒナタは、その仕組みをつくろうと奔走していたのだ。
バックヤードでのキャリアを詰んで行く事を選んだコウは、
それを精査する側の人間として、たくさんの書類を抱えた事がある。
その時に知った。
ごく内部の職員のみが閲覧されることを許された書類の中に、それはあった。

コウが「知った」ことは、ヒナタには伝えていない。
けれど「知られた」ことを、おそらくヒナタは知っているだろう。
どの立場の人間が、どういう情報を以て「精査」するのかくらい、ヒナタは把握していただろうから。

ぐるぐると考えたけれど、コウからその話をヒナタにしなかったのは、
コウの選んだ姿勢だ。
相手が「友人」のヒナタでなかったとしても同じような態度を選ぶだろう。
コウはそうも考えている。

だから。

「アイツと会ってからのことなら、まぁ少しは話せることあるけど。
 今までもちょいちょい話したことあったよね。その程度だよ、答えられるのって」

コウとしては、そうとしか言えない。

あぁ、とピアスは頷いた。

「なんつーかさ、ヒナタってどうやってこの”家”やってんだろうなって思って。
 だってほら、金かかるじゃん。どうやっておれたち養う金稼いでんのかな、とか不思議になってさ」

家主は思い出したように時々、ピアノやら何やらの調律の仕事にでかけることがある。
それはピアスも知っているけれど、
それだけでどうにかなるようなものなのだろうか。

「だからなんつーか、この”家”つくるまえにしこたま稼いでて、
 もうそういう心配する必要ないのかな、とか思って」

「あぁ、そういうことか」

ヒナタ自身への興味もあるのだろうけれど、
どちらかと言えば、”家”が”家”として成り立つための制度的なものへの疑問だ。
”家主”の負担への興味にもかかってくる。

「……まぁ。制度的なことはヒナタ本人にきいてもらうとして、」

それが筋だろうと思うから、そこは最初に釘をさしておく。
ピアスも「そうだな」と頷いている。

「ヒナタはなぁ。まぁ、稼いでた方じゃないか? 微妙だけど」

その程度なら答えてもいいだろう。

「あいつは現場の人間だったからな。基本給みたいのは、それなりしかないんだよ。
 生活には困らないだろう、程度。
 なんだけど、ヒナタは仕事の鬼だったからな」

仕事の鬼。
なんだかすごそうだ。

「残業手当とか、休日手当とか、そういうのひっくるめたら、
 現場の人間としてはなかなかないくらいには稼いでたと思うぞ。
 家とか寝に帰ってる程度だったろうし、貯めた金使う時間とかなかったんじゃないかな」

「……それはちょっと意外だ」

ピアスの感想ももっともだな、と思う。
カリンも初めにこの”家”を見た時、
そこにいるヒナタを見た時に、同じような感想を抱いたと言っていた。

「最近は、随分のんびりした感じらしいけどな。
 どっちかつったら、ケンカっぱやいイノシシみたいなヤツだよ、ヒナタ。オレの評価では」

「?!」

イノシシのイメージと合わなかったらしく、ピアスは驚いている。

「ある意味、そういうところも変わってないような気もするけどなぁ」

家の中から声があがった。
ミーチェとマルセルの笑い声だ。楽しそうだ。

むー、と考え込んで、ピアスはそれきり黙ってしまった。


***************


「……普通さ、そっちから出向いてくれてもいいんじゃないのかな」

ピアスたちの元を離れたカリンは、今は家主と連れ立って歩いている。
4人の元を去ってから、カリンが呼び出したのだ。

すみません、と謝ってから
「森の中を探すのは、とても大変そうだったので。
 先輩は耳がいいので、呼べば先輩から出て来てくれるかな、と」
全く悪びれる様子もなく続ける。
割合、太めの神経をしている。

「最近、どうですか?」

ピアスらに向けたものと同じ質問をした。
けれど家主相手には、言葉を補足する必要がないことはわかっている。

「総じて”大丈夫”ではあるかな。
 ……これ、ピアスたちにも同じ事きいた?」

頷いてカリンは「だいたい同じような答えが返って来ました」と答える。
ヨーのことや昨夜のやりとりを思い出して、家主は苦笑する。

「ミーチェも引き続き、ですが、
 もうしばらくしたらまた何人か、お願いする事になるかもしれないのですが、
 どうでしょうか」

「大丈夫、かな」

少しだけ自信なさげに家主は答える。
その様子は意に介さず、カリンはただ「わかりました」とだけ答える。

「……」

その後の言葉が続かない。
けれど、家主にはわかる。補足はいらない。
おそらく考えていることは一緒だ。

「期限は、変えるつもりないよ。今のところは。
 それについてはまた、詳しい事は……そのうち話にいくよ」

カリンはまた同じようにこたえるだけだ。
「わかりました」と。

今度もまた、何か言いたそうな様子ではあったのだけれど、
カリンは何も言わず、背を向けて歩き出した。
(不器用な人間だな)と家主は再び苦笑する。

「出口まで送るよ」

カリンを送って、自分もとりあえず、”家”に帰ろう。


***************


「おひるごはんたべようよー!!」

家主がピアスたちの元に戻って少ししたころだ。
リビングの窓から、ミーチェが顔を出して言った。

「あの、キッチンお借りしてもいいでしょうかーーー?」

奥からマルセルの声も聞こえる。
「適当にどうぞー」と家主が答える。
そしてそのまま、もうしばらくは外で待つつもりだったようだが

「きょうはまぁちゃんのチャーハンだよ~~~」

というミーチェの声に、「じゃあちょっと待て!」と声があがる。

「おれも手伝うから。おれが行くまで料理はじめるなよ」

と言って、ざくざくと歩いて家の中に入って行く。
コウは「なんだあれ」と呟いたけれど、ピアスと”のっぽ”は「あぁ」と納得した顔だ。

「”みぃ”のチャーハンについては、ヒナタさん、随分悔しい想いをされてますからねぇ」

「?」

当然わからないコウに”のっぽ”は続ける。

「”みぃ”は、チャーハンが好物だそうなんですけれど、
 ヒナタさんがどんな味付けでどんなチャーハンを作っても”違うー”って、
 いつも、そればっかりで」

「ムキになって、献立がチャーハンばっかりだったことあったよな。
 ……あぁ、そうか、チャーハンの鬼だったな、あの時期は」

ピアスはどうやら、●●の鬼、という言葉を使いたいらしい。

「おれたちも入るか、そろそろ」

3人も腰を上げた。



リビングでおしゃべりをしながら、食事が出来上がるのを待った。
家主は黙って、腕を組んでマルセルの調理を見守っている。
(かわいそうに)
あんな風に見られたらさぞマルセルもやりにくいだろうけれど、
家主は気にせず、黙って眺めている。

「で、できました……!」

数分後、マルセルがリビングのテーブルに皿を運んだ。
(ん?)
全ての皿が運ばれ終わって、最後に家主も食卓についた。

最初に口を開いたのは家主だった。

「これは、チャーハンじゃ、ない!!」

ミーチェとマルセル以外の全員が、家主と同じ思いで目の前の皿を見た。
たしかに。
これはチャーハンではなく、おそらく、リゾットだ。

「えぇー? チャーハンだよー?」

ねぇ、とミーチェがマルセルを見る。
マルセルは恐縮した様子だ。

「あの、チャーハンのつもりで作っているんですけど、
 どうもうまく作れなくていつもこんなことに……!」

ということはコレは、
つまり、一切パラパラになれなかったチャーハン、ということだ。
「だいじょうぶだよー、おいしいよー!」と、ミーチェだけがマルセルの味方だ。

「いただきまーーーす!」

そのミーチェが、先陣を切っていただきますをする。
不安を残しつつ、あとのメンバーがあとに続く。
最初にスプーンをつけたのはピアスだった。

「……あぁ、まぁ、
 ……チャーハンだと思わなければ、これけっこううまいな」

「……あれ、そうですね、たしかに」

「あ、これオレけっこう好きかも」

「……」

家主だけは無言だったけれど、
スプーンのスピードが決して遅くないのを見れば、気に入ってないわけではないようだった。
チーズとコショウが聞いていて、食欲はむしろそそられる。
消化にもよさそうで、胃の弱い家主にも食べやすいだろう。

「へへへ、ひさしぶりだねぇ。おいしいねぇ」

ミーチェがたいそう嬉しそうな様子なので、
家主は複雑な表情だ。
その表情が続いたのも数秒だったけれど。

「よかったな、ミーチェ」

笑顔で、家主は言った。
本当に、嬉しそうに。

「うん!」

ミーチェが満面の笑顔で答える。
その様子をピアスは見ていた。

そして
こういうことなのだろうかと、考える。
昨夜、家主が言っていたこと。
こういうことなのだろうか。

まだピアスにはよくわからなかったけれど、とりあえずマネしてみる。

「おいしいな。よかったな、”みぃ”」

ミーチェはまた笑顔で答える。

僅かながらに風が入って、
調理で上がってしまった部屋の気温をやさしく下げた。


穏やかな時間が過ぎて行った。



(to be continued...)



===============


《リゾット》 ※2~3人分
 ・玉ねぎ 1個
 ・ウインナー 1袋
 ・ご飯 2膳分ちょいくらい
 ・卵 2個
 ・だしの素 スティックのやつ 1/3くらい
 ・塩 少々
 ・コショウ 少々、よりも少し多め
 ・とろけるチーズ 1枚
 ・粉チーズ お好みの量

1、ウインナーは一口サイズに切っておく。
  玉ねぎはざくっと目にみじん切り。
2、フライパンをあったためておきつつ、とろけるチーズを4分割くらいにしておく。
3、玉ねぎを一気に炒める。 ※お好みでバターを使ってもうまいです☆
4、炒めた玉ねぎの上にウインナーを入れてさらに炒める。
5、ご飯を加えてさらに炒める。ここでだしの素も一緒に炒める。
6、卵を直接割り入れて、フライパンの中身と混ぜ込みながら炒める。
7、とろけるチーズをオンしてさらに炒める。
  とけたら、粉チーズとコショウを適量振りつつ、さらに炒める。
   ※粉チーズもコショウも多めが好きです☆
8、少しフタをしておく。
9、お好みでやや焦げ目を作ったりしてみる。


これで、完成です☆^^☆

要はですね、
玉ねぎ炒めるのが好きな私が、いろんな手順すっとばして玉ねぎ炒め始めてしまって、
途中で火をとめるのもめんどうくさがって
ひたすら、次々に材料入れて炒めて行く方式にしたところ、
卵のタイミングとたぶん油のせいで、まったくパラパラ感が出てくれず。
チーズとコショウでごまかそうとしたら、
なんかイイ感じに リゾット という別物ができてしまった、という……。

が、うまかったので、
その後何度かコレ作りました。笑

うまきゃいいんですよ、うまきゃ・v・♪


ここまでお読み頂き、ありがとうございました!!


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※作品一覧はコチラです
 ※『保護者・1』はコチラです
 ※『保護者・2』はコチラです
 ※『保護者・3』はコチラです


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comment

  1. 2011/07/07(木) 23:29:50 |
  2. URL |
  3. 勇太
  4. [ 編集 ]
いきなりすまそ。

小説俺以外と書くのとか好きっす!

Re: 勇太さん

  1. 2011/07/08(金) 22:06:30 |
  2. URL |
  3. 花舞小枝の春
  4. [ 編集 ]
勇太さん

こんばんは、初めまして☆
ご訪問ありがとうございます・v・

創作されているのですね!
今度ぜひ。遊びにいかせていただきます!

コメント、そしてご訪問ありがとうございました*^^*♪

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